1.どのような工場で作られるか
 プラムの工場は、手の枯れた大勢のテイラーを工程に配した本場イタリアの最高級の製品を作るメーカーの他は、通常恐れをなして手をつけない極めて難度の高いイタリアン・クラシカル派の注文服の技法を、妥協せず手抜きせずに工程に置き換え実行している工場であり、従ってイタリアン・クラシカル派テイラーによる注文服と全く同じ工程を辿って仕立て上げられます。
 
2.お客様にジャストフィットした服を作るために
 注文服は仮縫いで補正しお客様の体型に合わせますが、プラム・パターン・オーダーシステムは、まずお客様にいろいろなモデルの現物スーツより気に入ったモデルを選んでいただき、お客様に一番合うサイズの服を試着していただきます。
 次にそのとき現れている歪を補正、さらにお客様の体型に合わせた細かい補正を加え、あたかも仮縫いをしたのと同じように、事前に補正を完成させます。お客様はオーダーの時点で、出来上がりの状態を鏡を見ながら確認しつつ、さらに完成時の着心地まで確認できるわけです。
 
3.仕上がりまでの流れ
1, お客様が気に入るモデルを決定
    
2, お客様のサイズに合ったそのモデルを着用
    
3, そこからサイズ補正、体型補正を加え、お客様の体にジャストフィットさせる
    
4, その他お客様のご要望に合わせて、細かい仕様を決定
    
5, 生地を決定
    
6, パソコンに上記お客様情報を入力、メールで工場へオーダーシ−トを送付、工場で型紙を作成、生産に投入
    
7, 商品完成後、店舗へ配送、お客様へお渡し
 
4.まとめ
 スーツ作りは他のページで述べますように、洋の文化に則って、一枚の平面の柔らかい生地を使って、複雑な立体に仕立て上げる作業です。従って一箇所として破綻なく妥協なく美しい完成品に仕立て上げるためには、非常に難しい技術を要求されます。
 そのためにはまず、完璧な技術をもつ工場で仕上げられることが一番重要です。
 さらにスーツは工場の人達だけで作り上げられるものではありません。お店でお客様と話し合いこのような服を作りたいとイメージする人、それをパターン(型紙)に変換するモデリスト、そして工場で仕立て上げる人、等々多くの人達が輪を作って協力し合っています。そのどの箇所の破綻もスーツを台無しにしてしまいます。
 スーツ作りはマニュファクチャーです。自動機械が作り上げるものではありません。

 従って服には様々な顔が現れます。作る前にこの顔が見えるということが、プラム・パターン・オーダー・システムの大きな特徴です。
 
5.フルハンドとライトハンドの違いについて
 フルハンドはほぼ全体がハンドメイドであり、ライトハンドは良い製品作りに欠かせない部分のみハンド、残りの部分はミシン縫いのものです。

 しかし両者とも作られる工程は全く同じです。逆に言うと、プラムの従来ラインは本来ハンドメイドのイタリアン・クラシカル派のオーダーメイドの技法が、工場生産のために工程化され、ハンドという手法がミシンに置き換わっただけのものであり、これはイタリアにおいてオーダー・メイダーからレディー・メーダーとなった同派のテイラー達によって完成されたものであります。プラムのラインはそのシステム・メーカーとして一家を為したOBERDAN COSTANZOをイタリアより招聘して完成させたものです。従ってプラムラインにおける両者の違いはイタリアン・クラシカル派のオーダーメイド製法が、ハンドかミシン縫いかの違いだけです。

 それではハンドとミシン縫いは何が違うのでしょう。一番大きな違いは着ている間の身体への馴染み方でしょう。ミシン縫いはその性格上きつめに縫い上げられ着ている間に糸が緩んでくることは少ないでしょう。一方ハンドは人間の手が縫うためミシンに比較して当然緩やかな縫い方になります。従って着ている間に自然に縫いが和らぎ身体に次第にフィットし着心地も良くなります。
 またイタリアン・クラシカル派の技法の大きな特徴である鎌衿作りは、軽い着心地感を与える重要な技法部分でありますが、良い鎌衿を作るためには衿付けをハンドでまつり縫うことが最も重要です。人々はハンドまつり縫いで衿作りをされ鎌衿にプレスされた上着を着た時、空気を羽織っているように軽いと感じます。

 穴掛りであるとか、ラペルを中心としたステッチが上手くハンドで纏ってあるのはそれなりに、高級感を出し良いものですが、外から見えない部分がハンドかどうかということが、着心地にとって最も重要です。